エイヴァーシャー大森林

エイヴァーシャー大森林（大樹海）

詳細
タイプ	土地
種族	森妖精エルフ、闇妖精ダークエルフ、茸蟻人グリエイクなど様々な種族が住んでいる。
所在地	スレイン法国の南方*1 エルフの王国がある。
Media
登場作品	web、書籍

概要

エイヴァーシャー大森林（以下：大樹海）は、スレイン法国の南方に広がる森林地帯である。この森林地帯は、トブの大森林とアゼルリシア山脈の二つを合わせたよりも遥かに広大であり、リ・エスティーゼ王国全土よりも広いのではないだろうかとされている*2。
森の木々が風になびき、波のようにうねる様子はまさに海原のようで、それを見たアインズに「何が大森林だ。魔導国においては、ここを大樹海と呼ぶ*3」と決めさせた。

書籍9巻の地図には記載されていない。
スレイン法国の南方*4（南西*5）に位置する。
大樹海内で判明している位置関係は、エルフの王国はスレイン法国の南西にあり、ダークエルフの村はエルフの王国の南東の外れに位置する*6。

web版
「アベリオン丘陵の南方の森林。SECRET」とあるのみ*7。具体的には、スレイン法国とローブル王国の間*8。

スレイン法国とエルフの王国の戦争

本作が始まる以前から、スレイン法国と、大樹海にあるエルフの王国は戦争をしている。切っ掛けは不明。

100年以上前の法国の記録によれば、当時の漆黒聖典がエルフの王（デケム・ホウガン）と戦闘をして壊滅的被害を受けたと記録されている*9（恐らく捕らわれたファーインの奪還作戦*10）。また、法国が「人間以外は敵（人間種でも敵）*11」と考えるようになったのは百数十年前からで、それ以前は人間種全体のことを多少は考えていたらしい*12。
元々エルフの王国とは協力し合う関係だったが*13、裏切りを受けて現在に至っている。

なお、エルフの一般人はスレイン法国に対して「何もしていないのに攻め込んで来てる*14」「エルフを何百人も攫っている外道*15」と考えている。
ダークエルフたちはこの件について知っている者がいる程度で、攻めている国、人間という種族、開戦の理由など殆ど伝わっていない。そもそもエルフとダークエルフで交流がないらしく（少ない？）、お互いによく知らないらしい*16。

大樹海内部

森の木々に覆われているため、上空から確認できるものは限られている。アインズが上空から発見できたのは、エルフの王都がある三日月湖と、法国から延びる進軍ルート及び前哨基地のみ*17。

国家・村

エルフの王国
- デケム・ホウガンが治めるエルフの国。国名は無い。「王」が統治しているため「王国」ということになっている*18。アルベドの考察では、近隣に他国が無く、外交を開く必要が無かったため国という呼称だけでも不都合が無かったのだろうとしている。
- 文明レベルは魔導国周辺の国家と比べて明らかに低いが、エルフたちは危険な大樹海の生活に適応している。魔法に適した木を生み出し、形態変化させたエルフツリーと呼ばれる木々を住居にしている。生活は地上ではなく木の上*19。エルフツリーが文化の中心になっており、住居だけではなく家具や武具など様々なもの作っている。
- 種族に限って考えれば、長命であることや、森で暮らすことでただの村人でもレンジャーやドルイドを修めている者が多いなど*20、人間よりも優れていると言える。
- 法国によって捕獲された村人が奴隷として売買されている
ダークエルフの村
- エルフの王都から一週間ほどの距離にある*21、南東の外れに位置する村。村が点在しているらしい。文明レベルはエルフとほとんど差異がない*22。エルフたちとの違いは、肌の色と「獣避け（後述）」の習慣など*23。一番大きな村で人口200人を超えたぐらい。
- かつてトブの大森林を支配していたらしいが、300年以上前に大樹海へ移住したらしい*24。リュラリュースによると、魔樹*25から逃げた種族らしい*26。
- ダークエルフの存在はエ・ランテルの冒険者に伝わっているらしく、人間と交易することがあるエルフとは違い、大樹海の奥の奥、人跡未踏の場所で暮らしているとされている*27。
茸蟻人グリエイク
- 大樹海に住む種族*28。蟻人なので恐らく蟲系の種族と思われる。
- 雑食性だが知的生物までは食べない。土で固めた箱のような住居を作る。大樹海に住むダークエルフと接点はなく、出会っても互いに無言で離れるような距離感を保っている。

湖・岩・その他

三日月湖
- エルフの王国の王都の近くに存在する湖。法国が前線基地を作った場所*29。エルフの王都は木の上ではなく地面の上にある。これは湖に棲む巨大な水棲モンスターが、捕食を恐れる大型モンスターを遠ざけていることが要因の一つらしい*30。
大岩
- エルフの王都から南東にある目印になっている大岩*31。王都からダークエルフの村に向かうには、おおよそ2,500歩進み、そこから三本木の立ち並んでいる方向に向かって3,000歩ぐらい進んで……という進路。
三樹
- エルフの王都から南東にある目印になっている三本の木*32。
法国の前哨基地*33
- 三日月湖の前に建設された法国の基地。法国から幅100メートルほど木を伐採しながら進軍して、ようやくエルフの王都近くまで辿り着いた。

出現モンスター

連甲熊アンキロウルスス
- 遠目には熊のようにも見える魔獣*34。稀に体長は二メートルから三メートル。二対合計四本の前足と、二本の後ろ足を持つ。
- 前足四本のうち二本はもっぱら戦闘に用いられるため、鋭く尖った六十センチを超える爪が生えており、その硬度は鋼鉄すらも凌駕する。腰からは太く長い尻尾が伸び、先端部分はハンマーのごとく膨れ上がっている。そして体の大部分を硬質な鱗から発達した装甲が守っている。
アンキロウルスス・ロード
- 個別項目参照。通常のアンキロウルススの倍以上の体躯になった王種ロードと呼ばれる種族。15巻巻末紹介では「異形種」に分類されている。
遠吠小鳥ハウリングバード
- 可愛らしい鳥*35。特殊な能力で何種類かのモンスターの雄叫びを真似ることが出来る。
巨角箆鹿ギガホーンエルク
- ヘラジカのような魔獣*36。異常に大きな角を持つが、森渡りの能力で森の中でも機敏に動ける。
巨大催眠蛇ジャイアント・ヒプノティズムパイソン
- 詳細不明*37。
アンデッド
- 森を汚す敵*38。悍ましい存在だが滅多に見ない。
三日月湖の巨大な水棲モンスター
- 詳細不明。大型モンスターがこれを恐れて湖に近づかないらしい*39。
その他
- 法国が被害を恐れるほどのモンスターが居るらしい*40。蛇や蜘蛛など登坂能力が高いエルフの天敵と言えるモンスター*41。

小ネタ

大樹海と命名したアインズは「上空何千メートル以上*43」の位置にいた。アインズの視界では「見渡す限り木しかなく*44」と記載されている。もし現地世界が地球と同じ球形であった場合、上空からみると見通し距離は下記のようになる。
- 参考「高精度計算サイト – Keisan」
- 上空1,000m　119.72㎞（おおよそ「東京→富士山」）
- 上空5,000m　267.76km（おおよそ「東京→名古屋」）
- 上空10,000m　378.74km（おおよそ「東京→京都」）
「獣避け」とは、ダークエルフが村で使われている大樹海の獣が忌避感を覚えるような臭いを使った対処法*45。トブの大森林のトレントなどから教わった知恵。現実にある木酢液による害獣避けのようなものと思われる。エルフたちは知らない。この方法が広まることで獣が臭いに慣れてしまうことや、臭いの先に獲物がいる教えてしまう可能性があるため、ダークエルフたちは伝えずにいた。
- 香りの強いハーブを村の周囲に植える。
- 獣が忌避する特殊な薬を散布する。
- 効果時間や有効範囲が限られているがドルイドの魔法を使うなど。
ワイルドエルフという種族がいる。かつて普通のエルフだったが、生活圏を草原に移したことで文化形態のみならず肉体にも変化が生じて*46 、新しい種と認識されるようになった種族。

*1 : 10-247
*2 : 15-148
*3 : 15-148
*4 : 10-247
*5 : 15-148
*6 : 16-139
*7 : web前編：設定
*8 : web前編：外伝：皆もおいでよ『デミウルゴス牧場』
*9 : 16-253、254
*10 : 11-179
*11 : 16-254
*12 : 16-245
*13 : 10-247
*14 : 15-177、178
*15 : 15-178
*16 : 15-097、178)：「かなり遠い親戚」「北のほうから流れてきた」「肌が黒い」
*17 : 15-149、150
*18 : 15-080
*19 : 15-085
*20 : 15-087
*21 : 15-187
*22 : 15-233
*23 : 15-233
*24 : 15-280
*25 : ザイトルクワエ？
*26 : 8-386
*27 : 3-251
*28 : 16-053
*29 : 10-247
*30 : 15-087
*31 : 15-159
*32 : 15-177、159
*33 : 15-149、150
*34 : 15-200
*35 : 15-237
*36 : 15-306
*37 : 16-119
*38 : 15-097
*39 : 15-087
*40 : 11-178
*41 : 15-086
*42 : web設定
*43 : 15-150
*44 : 15-148
*45 : 15-233、234
*46 : 15-233