オーバーロード | |
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丸山くがねちゃん(11歳)@maruyama_kugane #overlord_anime pic.twitter.com/NLUVwt4mjH— オーバーロード/アニメ公式 (@over_lord_anime) July 8, 2018 | |
小説 | |
ジャンル | ダークファンタジー 異世界最強もの |
著者 | 丸山くがね(むちむちぷりりん) |
イラスト | so-bin |
出版社 | エンターブレイン KADOKAWA |
刊行 | 2012年7月30− |
巻数 | 既刊16巻(2022年7月現在) |
web版 | |
掲載 | Arcadia 小説家になろう(前編・後編) |
連載 | Arcadia:2010年5月9日−2011年10月2日 小説家になろう:2012年3月30日− |
漫画(第一部) | |
著者 | 深山フギン |
掲載 | 月刊コンプエース |
発売号 | 2015年1月号−2023月7月号 |
既刊 | 既刊19巻(2023年12月) |
原作 | 原作1巻−10巻 |
漫画(第二部) | |
著者 | Matsuki |
掲載 | カドコミ コンプエースコミックコネクト |
発売号 | 2024年2月 |
既刊 | 既刊1巻(2024年12月現在) |
原作 | 原作10巻− |
漫画(スピンオフ) | |
著者 | じゅうあみ |
ジャンル | 4コマコメディ |
掲載 | 月刊コンプエース |
発売号 | 2017年3月号− |
既刊 | 既刊13巻(2024年12月現在) |
その他詳細 | |
参照 | 『Wikipediaオーバーロード (小説)』 |
概要
オーバーロードは丸山くがねによるライトノベルである。
原作はSS投稿サイト「Arcadia(通称:理想郷)」で2010年から投稿を開始。2011年の震災によってArcadiaの存続が危ぶまれ、「小説家になろう」(前編・後編)に引っ越した。
同タイトルで2012年からKADOKAWA(エンターブレイン)によって書籍化された。
2014年〜2023年コンプエースで深山フギン氏によるコミカライズ版の連載開始された。
2024年2月からMatsukiy氏による「オーバーロード<新>世界編」のコミカライズ版がカドコミとコンプエースコミックコネクトで連載開始(web掲載)。
2015年7月からアニメ1期が放送、劇場版総集編を経て2018年1月からアニメ2期が放送。2018年7月にアニメ3期が放送された。2022年7月にアニメ4期が放送。2024年に劇場版で聖王国編(12・13巻)が上映される予定。
作者はSS投稿時代「むちむちぷりりん」という名で活動していたが、「ネットだと書くだけだがリアルで使うと千倍恥ずかしい*1」と言う経緯から”普通の名前”になった。
何から見始めれば良いのか
web版と書籍版は内容や設定が違う。漫画とアニメは書籍準拠。web版は無料で読めるので、書籍購入を迷っている場合はまずweb版を読んで雰囲気が気に入れば書籍を読むとよい。
書籍読者でも「webのほうが好き」という意見がチラホラあり、それぞれにそれぞれの良さがある。
ただし、webの設定を書籍が引き継いでいることも多いので、考察をする場合はどちらも網羅する必要がある。ついでに言うとそれが最低限の基礎知識で、これ以外に作者Twitter、web版の感想返し、雑誌インタビュー、特典小説などなど…………。
2017年12月より書籍は電子版が販売されている。単語検索が非常に簡単で、場所も取らないのでオススメ。
どんな感じの小説?
ゲーム世界から異世界にゲームキャラクターで転移した話。
現実世界ではごく普通のサラリーマンだった男が、誰がどう見ても骸骨の魔王としか言いようがない形姿と力と権威を持ってゲームから異世界に転移した事により、自分の常識とのギャップに四苦八苦したり若干勘違いをしながら進んでいく物語。
登場人物から見た主人公を総評すると悪の組織の親玉そのものなのだが、中の人は理想の支配者を演じるのに必死なただの一般人であり、そのズレた指摘や過大評価は本作の笑いどころの一つ。
主人公以外の視点での物語も比較的多く、世界観を丁寧に描写し、キャラクターを深く掘り下げているのも魅力的な部分と言える。
世界観は?
物語の舞台となる世界は剣と魔法が存在する中世ファンタジー風の世界。
人間以外にもエルフやドワーフ、ゴブリンやリザードマンといった多種多様な知的生命体が存在し、他の勢力やモンスターなどの脅威から生き残るために各々独自の秩序を築き上げている。
そんな感じの世界に突如として現れた、圧倒的な強さを持つ主人公達が騒動を起こすお話。
なお、「オーバーロード」の世界観を一言で表すなら「弱肉強食」。
何の罪もない女子供でも容赦なくえげつない目に遭ったり、救いのない展開もあるので、悪い敵を倒してスッキリみたいな勧善懲悪の展開は期待しない方が良い。
グロテスクな描写は示唆する程度で、直接描写されることはあまりない。ただし共感性が強かったり、想像力豊かな人は覚悟して読む必要がある。この作品を一般的なラノベ感覚で読むと辛いと思われる。
主人公たちは「悪の軍団」と言えるが、作者は悪を描きたいわけではなく、彼らは彼らなりの善で行動しているため、いわゆる悪役ではない。これは他の悪人と言えるキャラクターたちも同じである。
作者は当初、ついてこれる読者はいないのではないか?と考えていたが、思いのほか多かったため、極北ではなく軽井沢あたりだったのかもしれないとインタビューで答えている*2。
切っ掛け
「かつくら vol.17 2016冬」「 このライトノベルがすごい!2017」の作者インタビューによると、オーバーロードの始まりは「自分好みの作品が無かったから*3」「TRPGやるメンバーが集まらなかったりしたことも、小説を書くようになった一因*4」と答えている。
そのため、オーバーロードにTRPG要素は多い。
ゲームとかファンタジーとか詳しくないけど見て大丈夫なの?
ゴブリンとか魔法とか必殺技とかそんな感じのファンタジーやRPGでありがちな概念が分かるなら問題ない。
アインズ(主人公)ってどれぐらい強いの?
作者が理想の最強主人公を目指して、その過程で問題になる部分を削ぎ落とした結果生まれたキャラクターがアインズである。
人間だと毒や暗殺などの危険性が伴うが、アンデッドであれば諸々解決できるためアンデッドになった。
あまりにも強すぎて現地民がアインズにダメージを与えられる可能性があるだけで、読者から(現地民の中では)凄いと評価される。*5
NPC
主人公は最強のアンデッドだが、中身は「普通のサラリーマン」である。
そんな一般人に忠誠を尽くしてくれる存在を考えた結果、主人公たちに作られた「ゲームのNPC」となった。彼らがモンスターなのは、主人公をアンデッドにしたため、同じように人外で揃えられた。
魔法の名前が英語丸出しなんだけど
本作はTRPGのD&D3.5版(ダンジョンズ&ドラゴンズ)などのTRPGの設定を参考にして作られており、魔法を始め、モンスター名や設定などが大きく影響を受けている。
アニメでアインズ(主人公)が緑色に光るんだけど?
アインズはアンデッドになった事で、感情が高ぶると強制的に精神が抑制されるようになっている。その様子をアニメ上で可視化した演出であり、実際に光っているわけでは無い。
特典小説の入手方法は?
書籍関係を参照。
作者が特典小説の再販に消極的なため、機会を逃すとオークション以外に方法がなくなる。
雑感、割烹ってなに?
丸山くがねが「小説家になろう」に投稿している活動報告(通称:割烹)で、各巻が発売された後に投稿しているあとがきのようなもののこと。裏設定などが書かれてたりするので、本を読み終わった後に見ると「なるほど」と思うかもしれない。
物語の構想
巻数
作者によると、オーバーロードは18巻終了予定(下表参照)。構想だけなら50巻分はあるらしい。
巻数は文量増加等の理由で変動することも。実際、エルフ編が予定していなかった上下巻構成(15巻&16巻)になったために、17巻終了予定が18巻終了予定に変更された。
巻数 | 言及時期 | 出典 |
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18巻 | 2015年 | 漫画版2巻「作家対談」 |
18巻 | 2016年5月 | |
20巻 | 2016年 | 「このライトノベルが凄い! 2017」 |
17巻 | 2019年5月 | |
18巻 | 2022年4月 |
伏線
作中において物語終了以降の伏線も出すが、終了までに回収する予定はないとしている*6。作中で語られなかった部分は、オーバーロードの物語のエピローグを読めば、自分が何を言いたかったかわかるようにする予定である。
伏線回収について
菅原雪絵「(13巻刊行時点で)回収されていない伏線も沢山ありまして。伏線のままで終わるのもありますよね?」
丸山くがね「当たり前じゃないですか。そっちの方が素敵ですよ。」*7
大陸中央部
大陸中央の詳細な設定は無いが、作者はTRPGが好きなため、『オーバーロード』の物語に関わる部分の詳しい設定は作られている。
大まかな設定は、大陸中央には複数の国があり、将来は連合軍となって階層守護者と大戦争が起こる設定や、ガルガンチュアはゴーレム騎兵団と戦わせるために出したなど。
もし30巻まで出るとしたら中央の大国連合と戦争になるらしい*8。
また、アニメ六期か七期があればオーバーロード22巻〜24巻の辺りに位置する話である『海上都市の少女』が特典になるらしい*9。
メディア展開
媒体 | 説明 |
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web版 | 原作。「Arcadia」、小説家になろう(「前編」「後編」)で無料で読める。書籍九巻までの物語の大筋はだいたい同じ。それ以降は完全な別物。2014年から更新停止中。 |
書籍版 | 角川から発行されている。アニメ、漫画版はこちらの話がベースなので優先して読むべきはこれ。wikiも書籍の情報を最優先に作成している。web版のリメイク。文量も含めて全体的にスケールアップしている。1巻あたりおよそ400ページと一般的なライトノベルの2倍は分厚い。4巻と6巻にはドラマCDが付属した特装版がある。 |
電子版 | 書籍版が電子化したもの。閲覧側の解像度によってページ番号が書籍と全く違うためソースのやり取りに問題が発生している。wikiで表示しているページ番号は書籍準拠。 軽い・色褪せない・綺麗・ワード検索ができるなど便利。BOOKWALKERが最も綺麗であるらしい。ただし、電子版のアプリによっては機能がない場合がある。新刊発売が書籍版より遅い。(13・14巻は1ヶ月後だった。) |
漫画 | 深山フギンによる漫画連載。外伝ではなく書籍のコミカライズ。イラストの評価が高い。初期は必要最低限の描写ばかりでかなり急ぎ足の進行だったが、リザードマン編からはじっくりと腰を据えた進行になって評価が上がりだした。9年間連載が続き、原作10巻の序盤(アインズが冒険者組合に向かう直前)で「第一部完」となり一旦終了した。 終了の理由は特に明かされていないが、深山フギン氏いわく「私事」とのこと。 X(外部リンク) |
漫画 | Matsuki氏による「オーバーロード<新>世界編」のコミカライズ版がカドコミとコンプエースコミックコネクトで連載開始した(web掲載)。 簡潔なあらすじの後、第一部終了の場面から始まる。 |
アニメ1期 | マッドハウスが担当。 |
アニメ2期 | マッドハウスが担当。待望の王国編がアニメ化ということで期待されたが、まさかの「トカゲをガッツリやる!」宣言。リザードマン編→王国編(セバス)→王国編(ゲヘナ)という場面切り替えとキャラの多さ、その内容の濃さを消化するには13話では明らかな尺不足だった。とは言え、トカゲたちの勇姿や中二病の英雄が補完されるなどおすすめ。キャストは1期よりも豪華になって聴き応えはあるが、次にそのキャラが登場するのはいつになるのやら……。 |
アニメ3期 | マッドハウスが担当。2期から事実上の分割2クールだったとは誰が予想できただろう。2018年7月放送。円盤の特典で、作者が過去にツイッターで投稿したシュガー√が「亡国の吸血姫(416ページ)」となった。 |
アニメ4期 | マッドハウスが担当。2022年7月より放送。 実際は10巻4話、11巻3話、14巻6話の13話構成だった。シリーズ最高だと評価する人は多い。 |
劇場版総集編 | アニメ1期13話を前後編の総集編にしたもの。とりあえずこれを見ておけばオーバーロードの世界観がわかる。新規カットもある。上映当時、都市部のみの少ない上映数と特典小説でファンは阿鼻叫喚だった。地方から来たが特典小説の在庫が無くなり貰えない人がいたとか。 |
劇場版「聖王国編」 | あの聖王国編が劇場版になる予定。 |
ゲーム | ツクール製のゲームや他作品とコラボしている。パチスロもある。 オリジナルでは「MASS FOR THE DEAD OVERLORD」「OVERLORD: ESCAPE FROM NAZARICK」「纳萨力克之王(ザ・キング・オブ・ナザリック)(製作中)」が配信・発売されている。 |
ソース一覧
書籍 | 書籍化されたオーバーロード。最優先されるソース。so-bin絵によるイラスト、巻末のキャラ情報など情報は盛り沢山。 |
特典小説 | 作者描き下ろしの特典小説。楽しい小話から重要な過去編まで様々。描き下ろしなので公開される設定は重要視される。再販は作者がかなり消極的なので期待できない。 |
亡国の吸血姫 | アニメ3期DVD&Blue-rayの特典小説。プロローグ上下と違って期間限定品。総ページ416。鈴木悟とキーノが出会うifストーリー。内容は本編とは関係ないので他の特典同様、本筋を追うだけなら読まなくても一切問題ない。オークション価格が高騰し20万になることもあった。 |
ドラマCD | 書籍本文に声が付いたものや、オリジナルストーリーのものがある。本編に絡んでいる「封印の魔樹」「漆黒の英雄譚」や、全く関係ないギャグ空間のものがある。 |
アニメ | アニメで外見が初公開されるキャラ、街の風景やキャラの動きなどかなり期待されている。アインズなど見栄えのために大きさが変わった者がいる。書籍の追っかけ物語だが、原作で省略された話をアニオリで補完している事が多い。 |
漫画 | アニメと同じくビジュアル公開が期待されている。漫画には巻末の小話や、オーバーロードの補足説明が入っていることが多い。 |
スピンオフなど | 4コマギャグ漫画の「不死者のoh!」や、アンソロジーの「コミックアラカルト」がある。ネタで原作の未登場設定が出る可能性があるので油断できない |
設定資料集 | 「アニメオーバーロード完全設定資料集 」「アニメオーバーロードII III完全設定資料集 」 アニメ制作のために使われた原画や背景、スタッフのコメントなどがある。イラストレーターのso-bin氏による描き下ろしラフ絵から未公開設定がわかるのでかなりおすすめ。 |
ラジオ | 毎週火曜に更新されている「オーバーロード〜ナザリック地下大墳墓定例報告会〜」。パーソナリティやゲストの声優が収録の話をしている。デミウルゴス役の加藤将之さんにより、NPCの設定が初公開されたことがある。 |
web本編 | Arcadia、小説家になろうに掲載されている本文。web版は途中に設定一覧がある。あくまでもweb版オーバーロードの設定。書籍化で設定変更の可能性を注意する必要がある。 |
webあとがき | 大虐殺まではArcadiaにあとがきがある。これは、なろう前編だとなくなっている。Arcadiaに無いweb後編はなろうにもあとがきがある |
web感想返し | Arcadia、小説家になろうにそれぞれある。読者の質問に作者が答えたもの。答えていることが全部本当とは限らないが、それでも参考になるものは多い。 |
なろう活動報告 | 通称「雑感」 「割烹(かっぽう)」。作者の近況や作業具合、各書籍の裏話がある。 |
主に作者のツイッター。本編中に使わない設定の話をすることがある。たまに驚くほど重要なことを呟くこともあるので油断できない。 | |
アニメ情報誌 | オーバーロードの特集があると作者やアニメ脚本家のインタビューが掲載されることがある。 アニメ放送中は次回予告が公開される前に放送予定のタイトルが判明する。 |
劇場版パンフレット | アニメ1期の劇場版総集編が公開されていたときに購入できたパンフレット。インタビューで異世界の設定が語られている。 |
ゲーム | 作者が関わっているスマホゲーム「MASS FOR THE DEAD(オバマス)」。聖女クレマンティーヌらしきキャラなど、興味深い映像がPVで公開されている。 |
wikiオススメの項目(改修中)
一通り読んだ人向けの項目。
項目名 | 説明 |
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書籍関係 | 書籍・漫画・スピンオフなどの商品情報。商品ページにはリンクしていない。 |
オーバーロードの歴史 | 本作のこれまでの歩み。 |
書籍とwebの違い | 2つの違いについて大まかに説明した項目。ネタバレがあるのでどちらかを読んでからの方が良い。 |
隠し番外編 | 感想返しなどで公開された本筋とは関係ない小話。 |
時系列 | 書籍の時系列。 |
登場人物一覧 | 膨大な数の登場人物をまとめた項目。まとめすぎてまとまりが悪くなっている。 |
レベル | 公開されているレベルやステータスをまとめた項目。 |
地図 | オーバーロードの地理を説明した項目。 |
考察広場 | 読者間で考察・予想されているものをまとめた項目。 |
ギャラリー | wikiで借りているイラストの一覧。 |
掲示板 | 説明 |
雑談スレ | 雑談専用スレ。常軌を逸した話じゃなければ何を話しても良い。 |
誤字報告スレ | 誤字・修正要望を出すスレ。コメントよりこちらに書いたほうが管理側が把握しやすい。 |
新刊ネタバレスレ | オバロwikiで新刊発売後7日間は、このスレ以外でネタバレは禁止している。 |
管理人スレ | 管理側とやり取りするためのスレ。wikiのお知らせが書き込まれることもある。 |
- *1 : なろう活動報告「予約の件と作者名変更」
- *2 : 「このライトノベルがすごい!2017」
- *3 : 「かつくら vol.17 2016冬」-070
- *4 : 「 このライトノベルがすごい!2017」-074
- *5 : アインズは一定以下のあらゆる攻撃を完全に無効化する能力を持つ
- *6 : 「このライトノベルがすごい!2017」-078
- *7 : アニメOVERLORDⅡⅢ完全設定資料集182頁
- *8 :作者X
- *9 :作者X
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