デミウルゴス牧場

施設概要

　デミウルゴス牧場とは、アベリオン丘陵のとある場所にある牧場のことである*2。この施設では、聖王国両脚羊（アベリオンシープ）という動物が飼育され、その皮を巻物（スクロール）用の羊皮紙にしている。

　羊皮紙の安定供給を目指して羊たちが集められ、施設の名前の通り、ナザリックNPCの頂点の1人、第七階層守護者のデミウルゴスとその配下の悪魔たちがこの牧場を管理運営している。

　デミウルゴス牧場は公式名だが、作中では「デミウルゴスの牧場」、ただ単に「牧場」と呼ばれている。web版では羊では無く、アベリオンタール（タール属）である。

経緯

　ナザリックが異世界に転移し、ユグドラシル由来の素材の入手がほぼ不可能となったため、代用品を求めてデミウルゴスに素材捜索の勅命が下る。

　デミウルゴスが多様な亜人が暮らしているアベリオン丘陵に向かい、その近辺のローブル聖王国で生息している聖王国両脚羊（アベリオンシープ）を発見（アベリオンシープという名称は、後日命名した。）。

　この皮を位階魔法の巻物に使用したところ、第三位階までの魔法を込めることに成功する。以後、この羊皮紙で作成した《メッセージ/伝言》の巻物が作中で登場している。

　ナザリック周辺の国で一般流通している羊皮紙を使用したところ、ナザリックの技法では第一位階が限界だった。
　これについて、巻物作成を担当している司書長*3は「技術体系の違いだろう。悔しいがある意味洗練されているのかもしれない。*4」と評している。

web版

　web版では、デミウルゴス配下の、コウモリの羽を生やしたほぼ裸の女悪魔（サキュバスではない模様*5）とティトゥスがアインズに報告している。

　アインズから種族を問われた女悪魔は、デミウルゴスの指示に従い、「アベリオンタール」と答えている*6。

　牧場はアベリオン丘陵の、曲がり牙＜クルックド・タスク＞というオークの部族の場所を拠点にして、アベリオンタールやオークなどの亜人を飼育し、皮の採取や交配実験が行われている。

　書籍との大きな違いは、デミウルゴスのアインズへの対応にある。
　書籍アインズは羊が何の種族かわかっているが、敢えてデミウルゴスに聞いて、デミウルゴスがそれに合わせた*7。という形。アインズは本当は分かっていない。webデミウルゴスがアインズの感情に配慮して、部下にタール属と偽りの報告をさせた*8。

感想返しで、もし、web版アインズがアベリオンタールが何か知った時、苦悩するが黙認、別のもう少しまともな羊皮紙を探す命令を出すだろうとされている*9。

施設案内

　牧場で飼育されている羊たちは、悪魔たちの日夜の努力で管理体制が整っており、異常があった場合は直ぐに対応出来るようになっている*10。

　例えば、皮の剥ぎ取りを行った場合、通常であれば痛みで絶命する場合が殆どだが、牧場では治癒魔法が使用され一命を取り留めるのと同時に、一頭当たりの採取効率を高めている*11。これは一重に、治癒魔法を使用できる拷問の悪魔トーチャーの活躍である。また、彼等のお陰で牧場を大規模化する必要がない*12。
　そのため、乱獲の必要が無く、生態系への影響は恐らく無いとされている*13。あったとしても、事故などで死亡した場合の補給を行う程度で済んでいる。

　他にも、異種交配の恐怖心を和らげる《チャーム/魅了》が使用できるサキュバスが、羊たちのために働いている。畜産以外にも様々な実験がデミウルゴス主導で行われており、実験の結果はアインズを大いに喜ばせるものだった*14。

　羊たちは非常にデリケートな動物で、環境が変わったストレスから自傷行為をする場合があるが、これもトーチャー達の活躍で被害を抑えている*15。

アベリオンシープの生態

個別項目：「聖王国両脚羊（アベリオンシープ）」参照

主な活動

羊皮紙の供給低位用の巻物（第三位階まで）を安定供給している。これのお陰でナザリックは《メッセージ/伝言》を始めとした低位の巻物使用が存分に出来るようになった。治癒魔法実験対象者の意思で傷が残る場合があるという結果が出た。また、切断して治癒した場合、切断した方は消えるが、切断後に細切れにするなど、形状が大きく変われば残るという結果を出した。*16異種交配実験羊の種類なら可能。だが羊以外の種族だと不可能になる。これを越えるべく実験が執り行われている。*17

　
他不明

従業員

デミウルゴス牧場主。馬鹿な子ほど可愛いと羊たちを愛でて可愛がっている。プルチネッラ補佐。牧場に飼育されている者たちを幸せにしたいと心の底から願っている。拷問の悪魔トーチャーたち悪魔では珍しく、低位とはいえ治癒魔法が使える優秀なモンスター。主に剥ぎ取りを担当している。*18サキュバスたち《チャーム/魅了》が使えるため、交配実験を担当している。*19

関連項目

ナザリック地下大墳墓牧場は無くてはならない施設になっている。ローブル聖王国羊たちが多数生息する場所。

小ネタ

• デミウルゴスは重要な案件や実験を多数抱えているため、ナザリックにいるほうが少なくなっている。*20

• *1 : web版では、丘陵にいるオークの部族「曲がり牙＜クルックド・タスク＞」の場所を使っている。
• *2 : 4-181
• *3 : 考察：ティトゥスがNPCという記述はないが、カスタマイズされているため、NPCと思われる。（8-305、4-285）
• *4 : 8-311
• *5 : 外伝：皆もおいでよ『デミウルゴス牧場』で、女悪魔の次にサキュバスが呼ばれている。
• *6 : web昇級試験-3
• *7 : 4-285
• *8 : web昇級試験-3、web外伝：皆もおいでよ『デミウルゴス牧場』
• *9 : Arcadia感想返し[1244]　ルウ様
• *10 : web：外伝　みんなもおいでよ『デミウルゴス牧場』
• *11 : 4-175
• *12 : 4-286
• *13 : 4-286
• *14 : 4-286
• *15 : web前編：外伝　みんなもおいでよ『デミウルゴス牧場』
• *16 : 4-286
• *17 : 8-288
• *18 : web：外伝　みんなもおいでよ『デミウルゴス牧場』
• *19 : web：外伝　みんなもおいでよ『デミウルゴス牧場』
• *20 : 8-264