概要
この項目では、作者丸山くがね先生がArcadiaや小説家になろうの感想欄やツイッターなどで書いた話を取り扱う。裏設定や裏話で本編とは関係があまりない。
Arcadia感想掲示板
隠し番外編その1 [2878] (2011/Aug/28(Sun) 01:48 pm)
[2878]むちむちぷりりん◆bee594eb ID: c00f733c
腱鞘炎だと知って心配してくれた方、ありがとー
これは腱鞘炎を心配してくれた方への感想返しです。
注意。アインズが壊れてます。冗談が結構含まれてます。多分一ヵ月後とかにあるかもしれない話です。
夜半過ぎた遅い時間帯だが、アインズの部屋には煌々とした光が灯っていた。そしてその光の下、アインズは黙々と働いていた。それはアンデッドであるアインズは睡眠というものを必要とはしないためだ。そして何より疲労というものが無いため、幾らでも仕事をこなせるという事でもある。
そんな室内にいるのは、アインズを除けばあとは戦闘メイドである、ユリ・アルファ、シーゼットニイイチニイハチ(シズ)・デルタ、ソリュシャン・イプシロンというこれまた睡眠を不用とする者たちだ。
部屋にあった豪華な机の上に、幾枚かの用紙を広げ、それらをアインズは眺める。アウラから回ってきた、ナザリック外の避難所作成に係わる様々な資料だ。
「ふむ……」
アウラに任せた計画の遂行率は非常に高く、順調に物事は進んでいる。現在では箱の外の部分はほぼ完成したという状況だ。
これから、あとはどれだけの要塞化を進めるか。どれぐらい内装にこだわるかなどの中の部分に取り掛かる必要がある。
そうなると宝物庫を開いて金銭を取り出し、色々と買い集める必要があるだろう。それとも宝物庫のデータクリスタルを取り出して、家具を自作した方が良いか。
迷ったアインズは、報告書から目を離して、中空を睨む。
要塞化を重視するべきか、避難所での生活を重視すべきか。せっかく作るのだから、両方を兼ね備えた別荘を作りたいものだ。
アインズはそう考える。そうなるとデミウルゴスやセバスという人物の知恵を借りる必要が出てくるだろう。しかしながらデミウルゴスは現在ナザリックにはいない。ならばこの場合はまずはセバスの調度品関係の意見を聞くべきだろう。
しかし遅い時間でもあり、セバスを呼びつけるには少々気が咎める。だから雑談程度の気分で、アインズは戦闘メイドの代表者でもあるユリに問いかけた。
「そういえば、セバスはどうした?」
「はい。今日は16日ですので、アーニアの部屋で寝ているかと」
するっとユリは答える。
その答えに含まれたアーニアという名前に聞き覚えがあったため、アインズは記憶を探る。そして思い出したのは一ヶ月前、王都で拾ってきた女の1人の名前だ。
アインズは僅かに笑った。
「……寝ているって何だ? あの女は1人では眠れないのか? 子供じゃあるまいし」
「――え?」
「まぁ、過酷な経験をしたからか? 1人では眠れないのも分からんでも無いな。もしなんであれば恐ろしい記憶は消してやっても良いのだがな」
寛大な口調でアインズはユリに笑いかける。アインズの魔法による記憶操作をもってすれば、1人で眠れるようになるだろうという優しさをもって。
しかしユリは僅かに顔を引きつらせた。それから――
「失礼します、アインズ様」
ペコリと頭を下げると、その場にいたメイドを全員アインズの部屋の隅に呼び集める。そしてぼそぼそと相談を始めた。
一体何事だ。アインズはそう思い、耳をそばだてる。
「もしかしてアインズ様ってご存じない?」
「アンデッドだからそういう知識は無いのかもしれない」
「ボクもアンデッドなんだけど?」
「…………ユリ姉。シャルティア様がいる」
「あの方は例外でしょ。あれはちょっと行き過ぎ」
「ではどうしますか?」
「まずはお尋ねしてみましょう」
「でも直接的に聞くのは、あまりにもあれじゃ……」
「では間接的に。――アインズ様」
「なんだ?」
ユリがアインズに伺うように、部屋の隅から声をかけた。
「人間の赤ちゃんってコウノトリが運んでくるんですよね?」
「……」
何を言ってるんだ。アインズはユリをそういう眼で見る。元々アインズは言うまでも無く人間だ、ちゃんと性教育は受けているし、実戦経験だってある。
しかしながらユリなりの冗談かと思い、アインズも同じように答えた。
「違うぞ。キャベツ畑で取れるんだ」
その答えを聞いたユリ、ソリュシャン。そして僅かにシズにすら、驚きのような表情が浮かんでいた。
「そ、そうでした。キャベツ畑でしたね……」
「間違えるなよ?」
「は、はい……」
その歯切れの悪い返答に、アインズは不安を抱く。
戦闘メイドってそんな知識も無いのか? そうアインズは僅かに困惑し、性教育をしないと不味いのか。そんなことまでも考え出してしまう。
教師役は誰を据えるか、流石に自分がやるのはイヤだな。そこまで考え始めたアインズはふと、あることを気付く。突然のユリにわけのわからない質問。
もしかして寝てるってそういう意味か?
この肉体になってから性欲というものはほぼ無くなった。そのためか、即座に気付くことができなかったのだ。さらに重ねてアインズは気付く。
「ちょっと待て? 『16日ですので、アーニアの部屋で』だと?」
その言葉に込められた意味は明白では無いか。アインズは王都で拾ってきた女の数を思い出す。確か全員で8人だ。
「……1つ聞こう。セバスの相手は……日替わりで8人か?」
「はい。そのはずです。明日はジャネット、明後日はバーバラ……。順番は滅多には変わらないと思いますが?」
「…………」
「アインズ様?」
押し黙ったアインズにユリは恐る恐る声をかける。
そして噴火が始まった。
「くそジジィ! 何、ハーレム作ってんだ! どーせ、8人同時とかやったんだろう! ちくしょうが!」
そこにあったのはぶっちゃけ嫉妬だ。性欲は無いし、アンデッドであるため大きな感情で動かされることも無い。しかしながらこの夜のアインズは違った。アンデッドだからといって妬ましいという気持ちまで完全に消えたわけではないのだ。
「セバスを呼べ! ガツンといってやる!」
「は! はい!」
慌ててユリが部屋から出て行く。
こうしてナザリックにハーレム禁止令が出たり、シャルティアが慌てたり、デミウルゴスの取り成しがあったり、アインズがしょんぼりしたりと、色々な出来事が起こるのだが、それはまさにどうで良い話である。
2011/Aug/28(Sun) 01:48 pm
隠し番外編その2 [2965] (2011/Sep/04(Sun) 06:06 pm)
[2965]むちむちぷりりん◆bee594eb ID: c00f733c
腱鞘炎のため、感想返しはちょっと簡素化してます。そのお詫びというほどのものでありませんが。
ナザリック大地下墳墓、その宝物殿。
無数の煌びやかな宝が眠り、金貨の海が存在する場所である。
その中に1つの部屋があった。玄室とも言えるような無骨な作りであり、石でできた聖櫃のようなものが中央に1つ置かれている。周囲の壁には金貨を入れた袋が置いてあり、パンドラズ・アクターがそれの1つの中を覗き込んでいた。
この部屋はナザリックの出費関係を管理する部屋だ。
ギルドの本拠地はその大きさや備えなどに応じて、常時金貨を消費していく作りとなっている。例えば食料の自給自足率などもその一環だ。そしてそれはナザリック大地下墳墓とて例外ではない。しかし、基本的にナザリックは課金アイテムやワールドアイテム。さらには存在する出現するモンスターはアンデッドが殆どということもあり、出費は殆ど無いぐらいに抑えられている。
しかし、それでも対外防御用の罠が発動した場合は、その発動したレベルに応じて金貨が消失することとなる。
パンドラズ・アクターはそれの管理もこっそり行っていたりするのだ。
「金銭的にはまるで問題無しのレベルですね」
ナザリックに対する攻撃を確認し、防御用の罠が発動したので急いで来たのだが、大したことではなかったようだ。いや、ワールドアイテムに守られているナザリックを、外からの攻撃で貫通しようということ自体無理なのだが。
しかしそれでも第2防御結界まで突破するとは。何度か第1防御結界が反応していたが、その程度の力では意味がないと無視をしていた。
「……16層の結界の1つを突破できるとは……中々ですね。まぁ、防御結界を破った分だけ反撃は厳しいものになるのですが……さて、では結果を調べるとしましょう」
パンドラズアクターは眼鏡をくいっと上げると、聖櫃を覗き込む。
そこには色々なものがあった。鎧、剣などだ。もし知る者がいればそれが何か分かっただろう。スレイン法国の紋章が入っていると。
「鎧も剣も同じものですね。一品物は無しですか。……魔力は殆ど無し、ゴミですか……」
パンドラ・アクターは聖櫃に入っていた装備品を取り出すと、どこからか出した袋に押し込んでいく。その袋はどれだけ入れても、大きさは一切変わらない。まるで四次元に吸い来れていくようだった。
「銅貨ですか……ふむ?」
パンドラズアクターは1枚の貨幣をその長い指で取り上げ、天井からの光に晒す。
「磨り減っているところを見ると、使用済みですね。しかし……知らない貨幣です。これはそういった趣味を持っている人でなければ正確な価値はつけられませんね。アインズ様送りですね」
そしてもう1つの袋を取り出すと、その中に放る。
「指輪……中には人の名前? 結婚指輪ですか? ……混ぜ物が多い……削っても潰しても価値はあまり無いですね」
無造作に最初の袋に放る。そして一枚の布を取り出す。パンドラズ・アクターの顔の無い顔が引きつる。
「……女性用の下着」暫しの時間が開き、「……使用済み。……こんなものの値段なんか分かるわけがないでしょう」
パンドラズ・アクターは2つ目の袋に放り込んだ。
「では、こんなものですね」
あった全てのアイテムを分け終え、パンドラズ・アクターは満足げに頷く。それから金額未設定の品を入れた袋を持ち上げた。
「さて、アインズ様に値段を決めていただかなくては。持って行きますか」
こうしてアインズが女性の下着を手に金額設定で悩むことになるのだが、どうでも良い話である。それを見たシャルティアとアウラがアインズがそういう趣味の持ち主かと勘違いするのも、本当にどうでも良い話である。脱ぎたてですとか言われて渡されたアインズがぶちぎれるのも、完全にどうでも良い話であった。
2011/Sep/04(Sun) 06:06 pm
小説家になろう感想
バッドエンドでのツアー戦 タイトル「国堕(仮題)*1」 [2012年 05月 27日 17時 35分]
バッドエンドでのツアー戦について*2 | なろう活動報告「休みが来てずっと休みだったらいいのに」 |
なろう後編感想返し [2012年 05月 28日 22時 16分]への感想返し[2012年 06月 03日 20時 19分] | |
なろう後編感想返し [2012年 05月 28日 01時 28分]への感想返し[2012年 06月 03日 20時 18分] | |
なろう後編感想返し [2012年 06月 07日 19時 50分]への感想返し[2012年 06月 09日 13時 42分] | |
なろう後編感想返し [2012年 06月 09日 23時 26分]への感想返し[2012年 07月 08日 10時 37分] |
丸山くがね [2012年 05月 27日 17時 35分]
バッドエンドでのツアー戦
シャルティアは自らの視界が白く染まるのを見た。次の瞬間、自らがどこにいるのかが理解できなくなる。
渦に飲み込まれた枝のように、揉みくちゃにされ、平衡感覚がうまく働かない。それが何かシャルティアも理解できなかった。ただ白い光の中、激痛が襲いかかってくる。
防御をしようとしても体が非常に重く、動かすのが難しい。だが、シャルティアは全身全霊をかけて動かす。これは不味いと理解できたためだ。
全身を丸め、両腕で身を守るように庇う。
それは極限の爆発。
白い閃光が世界を染め上げる。
轟音と爆熱。
生み出された衝撃波が大地を吹き飛ばし、舞い上がった土砂がキノコの形を空に作る。
超熱波による致死領域はキロメートル単位にも及び、その範囲内に存在し、今なお動く影はなかった。土煙が収まるにつれ、その凄惨な有様が明白となる。
生きる者がいるはずがない、そんな中、土を払ってよたよたと立ち上がる者が1人。
「かぁ、かぁ、かぁ」
すさまじい爆発によって生じた超高熱波の中にいたために、喉が焼け爛れており言葉がうまく働かない。いや、喉だけではない。全身は焼け爛れ、かつての美しさはどこにもなかった。髪を全部失い、まるで黒く焼けた棒のようだ。
熱量での火傷以外にも、爆風によって全身に切り傷を負っている。
左の視界は完全に閉ざされている。右目はなんとか白濁しただけですんでおり、ぼんやりとだが像をかたどってくれる。体が傾げるのは、右腕を肩口から失ったためだ。ズタズタになったドレスが、見窄らしい焦げた残骸となって体に張り付いている。その中にあってシャルティアの身につけた最高級のアイテムたちのみ、そしてそれに隠れた部分が無傷なのが異様だ。
全身から突き上げてくるような痛み。
この痛みはまずい。
この痛みはシャルティア・ブラッドフォールンを滅ぼすものだ。
「ああああああああ」
思考が千切れになり、欠片が絶叫となって口から飛び出す。
炎によるすべてのダメージを無効にする自分がなぜ、熱ダメージを受けているのか。自らの守りはどうして突破されたのか。無数の疑問が頭をよぎるが、そのほとんどが痛みと混乱によってかき消される。
思考があちらこちらに飛び交う中、ただ1つだけが最重要事項として頭の中で警鐘をならしている。
それは――これ以上ここにいることは出来ない。このままでいたら死ぬから撤退すべきだ、という内容。
しかし、だ。
しかしナザリック大地下墳墓の守護者であるシャルティア・ブラッドフォールンが背を向けて逃げて良いのだろうか。はるかに劣るものたちに。
それはナザリックを、至高の41人の期待を――裏切る行為ではないだろうか。自らが死すとも、この下らない国を滅ぼすべきではないか。忠義と生存本能。2つがシャルティアの動きを縛る。
ギギギギ――。
シャルティアの口からきしむような音が漏れる。わずかに残った歯が擦り合わされ起こった音だ。
「かぁああ、くぃうう」
魔法が発動しない。
「ぎがあああがっがっぐ!」
憤怒。ありとあらゆることに対する怒りがシャルティアを染め上げる。
……この話が公開される日が来るのだろうか?
亡国の吸血姫サンプル「Sugar and spice and all that’s niceルート。もしくはモモンガさんラノベ主人公っぽいルート」(2015/09/26)
「亡国の吸血姫」サンプル版(2015年投稿)(togetter)
生存確率の非常に高いナザリック侵入方法
「生存確率の非常に高いナザリック侵入方法」(togetter)
ハーメルン
- 「【限定】プレイアデスな日」|オーバーロード二次創作の総文字数が5万文字を超えている二次作者のみが読める特典小説(下記投稿後に27万文字となった)。
- 「【限定】このすば×オバロ 」|オーバーロード二次創作の総文字数が27万文字を超えている二次作者のみが読める特典小説。
- 「色んな人の現状。のプロローグ 」”チラシの裏”に投稿されているため検索では出てこない。
- *1 : なろう活動報告「休みが来てずっと休みだったらいいのに」
- *2 : 「感想の日時 オーバーロード」でググれば一発で出てきます。
コメント