ビービーゼー

「苦しくはないが……おぬしいい匂いがするな。腹が減るな」

概要

ビービーゼーとはアベリオン丘陵に住む藍蛆ゼルンの部族の王子である。
ゼルンは特定種族（亜人種）にのみ発揮する魔法の効果を受ける種族的弱点があり、そのせいで周囲からも、ゼルンたち自身も亜人と勘違いしている*3。

外見

全長90センチの紫色に光る蛆虫。手は無く疣足があり、顔も蛆虫のそれ。ちなみに本物の蛆虫に足は無い。
ゼルンは王族とそれ以外で外見が大きく異なり、普通はウナギに腕がついた上半身に下半身は藍色の蛆虫の姿をしている*4。
感情表現は跳ねたりプルプル身を震わせたりをして全身で表現する。
一応、声色も含めて少年である。ショタ王子*5。

性格

数少ないオスとして一族の将来を担っているため責任感が非常に強い。助けに来た配下の無策な提案を却下するなど冷静な思考を持つ。
ゼルンは種族的にオスが非常に貴重であるため、オスは生まれたときに王族となってチヤホヤされながら監禁生活で一生を終える。そんな生活なので王子は自分のボディに自信を持っており、ナルシストな一面がある。
それでも驚いた時は魚のように体を跳ねさせたり、頭冠の悪魔サークレットを倒した時は歓喜の雄叫びを上げたり、感情は割と表に出る方らしい。

強さ

第四位階までの陰の五行を操る精神系魔法詠唱者。
現状でもかなり強いが英雄級ではない。作者曰く、年をとったらその領域になるかもしれない*6。
ただし、見た目の通り素早く動くことが苦手で動きが鈍い*7。配下は王子と違って近接戦闘が得意なものがいる。

装備

スキル

魔法

• 陰の五行を操る。詠唱例：<陰・木行・雷爪>
  • 雷爪
  • 豪火球
  • 金強（説明のみ）
  • 金柔（説明のみ）
  • 雷侯招来（説明のみ）
• 魔法強化
  • 木・火・土・金・水+行

作中の動向 

ゼルンの王子としてアベリオン丘陵北部の巣で暮らしていた。
ヤルダバオトの出現により、王とともに人質として捕らえられてしまったため、ゼルン族は仕方なくヤルダバオトに服従し、ローブル聖王国への侵攻作戦に加わった。しかし、王が殺害されたとの情報が入ると、配下のゼルン達は裏切りを決意。最後の王族であるビービーゼーを救うため、聖王国側に救助を依頼した。

城塞都市カリンシャの尖塔に幽閉されていたが、救出部隊のネイア・バラハとシズによって救い出される。父親の死に深いショックを受けながら連れ出されたビービーゼーは、配下の者たちが提案する「遠くへ逃げればきっと大丈夫」という楽観的な考えを一蹴。ネイアからアンデッドが王である魔導国に行けば良いと提案され驚愕するが、危険を冒してまで自分を助けてくれたネイアを信じるて受け入れる。

城内にヤルダバオトの側近である大悪魔「頭冠の悪魔サークレット」がカリンシャにいるという絶好の機会を狙い、救出部隊と協力して戦いに挑む。ビービーゼーは相手の魔法を相殺するなど、勝利に大きく貢献した。この戦いでは、サークレットの飾りとして使われていた初恋の相手、パンデックスの女王『国母グランドマザー』の亡骸を皆で丁寧に食べて弔った。

その後、仲間たちとともに魔導国の難民となった。
ゼルンはオスが極めて稀にしか生まれない種族のため、ビービーゼーは唯一のオスとしてハーレムを手に入れた状況になっている。

相関

• 国母グランドマザー
  • パンデックスという亜人の女王。幼少の頃の初恋の相手。
• ネイア・バラハ
  • 救出に来てくれた人間の英雄。いい匂いで腹が減る。
• ベーベーベ
  • 救出の提案をしたゼルン。
• ブーベーベ
  • ゼルンの勇者。12巻冒頭でヤルダバオトに肩をもがれたキャラクター。

小ネタ

• ゼルンは同胞の意味で「同卵」という言葉を使う*8。つまり卵生であるらしい。
• 体を起こす動作が人間で言うところの『礼』にあたるらしい。
• 「『聖王国の聖騎士　描写から見るルール その２』Tomb of the Overlord　オーバーロード　元ネタ考察　備忘録」様

脚注

• *1 : 13巻キャラ紹介
• *2 : 13-393
• *3 : 12-378、13-559、13-400「亜人である我らを〜」」
• *4 : 12-378
• *5 : 13巻雑感
• *6 : 13巻雑感
• *7 : 13-405
• *8 : 13-394